トピックス
2022 ICDD Ludo Frevel 奨学金案内
大学院で結晶学に関連した研究をしている大学院生のみなさんに,ICDD からの奨学金を案内します。 [→ Ludo Frevel Scholarship]
2022 年 7 月以前に卒業が予定されている学生は 2022 年度の Ludo Frevel 奨学金に応募できません。ご注意ください。
ICDD の活動
国際回折データセンター International Centre for Diffraction Data (ICDD) の活動について紹介します。
名古屋工業大学先進セラミックス研究センターの年次報告中の記事として 2016 年に出版されました。
[解説記事]
論文掲載予定
日時:2021年12月
Powder Diffraction, 36(4) (2021) に以下の論文が掲載される予定です。
Takashi Ida, "Continuous series of symmetric peak profile functions determined by standard deviation and kurtosis"
逆畳込的処理により対称化されたピーク形状では,装置ブロードニング成分の2階と4階のキュムラント,あるいは標準偏差と尖度とを,正確に予測することができます。
標準偏差と尖度によってピーク形状の確定する一連のピーク形状モデル函数システム(裁断ガウス型函数・剪断ガウス型函数・対称ロジン・ラムラー型函数の組み合わせ)を構築しました。
この函数システムでは尖度 -1.2 の矩形函数形状から,尖度 0 のガウス型形状,さらに事実上尖度無限大の形状まで連続的にピーク形状を変形させることができます。
またこの函数システムとローレンツ型函数との畳込のピーク形状を計算する手法を示し,曲線当て嵌め解析 (curve fitting) にも利用できることも示しました。ローレンツ型函数との畳込はフォークト (Voigt) 函数を含むスーパーセットで,超フォークト函数 (super Vogtian function) とも呼べます。
オンライン版が公開されました [doi: 10.1017/S0885715621000567]
日本結晶学会で研究発表
日時:2021年11月19日
日本結晶学会 2021 年度年会(オンライン)で以下の発表をしました。
井田 隆,「集中法反射型粉末回折測定における有限厚さ試料の透過性の効果」
反射型の粉末回折測定では,通常はX線侵入深さに比べて試料が充分な厚みを持つことを前提とします。
試料の厚さが有限な場合,透過性の効果は,適切な尺度変換を適用することにより,回折角依存性の異なる「減衰効果」と「有限厚さによる打ち切り効果」の二重の畳込として表現されます。しかし,打切り効果を畳込として表現するための尺度変換では,強度値を浮動小数点数として表現する場合に,典型的な条件では指数部に 15 ビット以上必要となり,現在利用できる IEEE754-1985 規格の浮動小数点数(指数部 11 ビット)では,変則的な手法をとらなければ扱うことができません。打切り効果を畳込として扱うことは諦め,畳込としない尺度変換による打切り効果の数学形式と逆変換形式を導きました。
打切り効果に関する逆変換処理はピークのブロードニングをもたらしますが,減衰効果は尖度 6 の尖鋭な形状で表されることから,逆畳込(対称化)的な処理によりピーク頂上付近の形状は尖鋭になり,回折ピークの特定・分離の目的では,むしろ有利になる可能性があります。[プレゼン資料 PDF, 1.1 MB]
あいちシンクロトロン BL5S2 懇談会で話題提供
日時:2021年10月29日
あいちシンクロトロン BL5S2 懇談会で「最近 (2019-2021) のトピックス」として話題提供をしました。[プレゼン資料 PDF, 1.1 MB]
プロシーディング発表
日時:2021年9月7日
Advances in X-ray Analysis, Vol. 64 と Powder Diffraction, 36(3), p.169-175 (2021) に以下のプロシーディングが掲載されました。
Takashi Ida, "Equatorial aberration for powder diffraction data collected by continuous scan of a silicon srip X-ray detector".
[doi: 10.1017/S0885715621000403]
シリコン・ストリップ型X線検出器の連続走査積算測定で得られるデータでは,入射ビームの「はみだし」(spill-over) の効果がやや複雑な挙動を示すこと,「安直二段階逆畳込的処理」を施すことにより,その主な部分を修正しうることを示しました。
機器分析ハンドブック3 出版
日時:2021年3月31日
化学同人から「機器分析ハンドブック3 固体・表面分析編」[ISBN-13: 978-4-7598-2023-2; ISBN-10: 4-7598-2023-X] が出版されました。
「第7章 X線回折法」 pp.94-107 の執筆を担当しました。
ICDD 会議出席
日時:2021年3月8日-3月12日
Virtual Zoom Event
ICDD 定例会議はオンライン開催となりました。Regional Co-chair of Eastern Pacif Rim として,日本での COVID-19 の状況と,福島第一原発の現状について報告しました。また Director at Large として ICDD の運営会議に出席しました。
日本結晶学会年会で発表
日時:2020年8月
日本結晶学会 2020 年度年会はオンライン会議として開催されました。以下の発表を行いました。
井田隆,
OA-II-02 “シリコンストリップ型X線検出器の連続走査積算により収集された粉末回折データにおける赤道収差”
オンライン会議 (2020年11月).
[日本結晶学会2020年度年会]
Denver X 線会議で発表
日時:2020年8月
2020 年の Denver X-ray Conference (DXC) はヴァーチャル会議(オンデマンド)として開催されました。以下の発表を行いました。
T. Ida,
D25 “Equatorial Aberration for Powder Diffraction Data Collected by Continuous Scan of a Silicon Strip X-ray Detector, ”
Virtual Conference (Aug. 2020).
[Denver X-ray Conference]
Powder Diffraction 誌に論文掲載
日時:2020年7月
Powder Diffraction 誌に論文が掲載されました。
T. Ida,
“Application of deconvolutional treatment to powder diffraction datacollected with a Bragg-Brentano diffractometer with a contaminated Cu target and a Ni filter, ”
Powder Diffr. 35(3), 166–177 (Jul. 2020).
[doi: 10.1017/S0885715620000445]
古いX線管と Ni フィルターの組み合わせで観測される「タングステンのピーク」も含む多くの寄生ピークを,逆畳み込み的な処理 (deconvolutional treatment) で除去する方法を示しました。
Journal of Appllied Crystallography 誌に論文掲載
日時:2020年6月
Journal of Appllied Crystallography 誌に論文が掲載されました。
T. Ida,
“Equatorial aberration of powder diffraction data collected with an Si strip X-ray detector by a continuous-scan integration method, ”
J. Appl. Cryst. 53(3), 679–685 (Jul. 2020).
[doi: 10.1107/S1600576720005130]
広く用いられる「一次元X線検出器の連続走査積算測定」によって得られる粉末回折強度データに対する装置収差の影響(赤道収差関数)の数値的な厳密解と,2次近似による代数的な解を導きました。
ICDD 会議中止
日時:2020年3月23日-3月27日
場所:Newtown Square, PA, USA
ICDD 定例会議に出席する予定でしたが,開催は中止になりました。
AsCA2019 出席
日時:2019年12月17日-12月20日
場所:シンガポール国立大学,シンガポール
AsCA2019 (16th Conference of the Asian Crystallographic Association) に出席し,
“Treatment of powder X-ray diffraction data collected with a Bragg-Brentano diffractometer with a Cu K X-ray source and a Ni-foil filter”
という題でポスター発表をしました。
PACRIM13 出席
日時:2019年10月27日-11月1日
場所:沖縄コンベンションセンター,沖縄
PACRIM (Pacific Rim Conference of Ceramic Societis) に出席し,
“Powder Diffraction Method with Laboratory & Synchrotron Sources of X-ray”
として講演をしました。
若セラ夏期セミナー出席
日時:2019年6月20日-6月21日
場所:グリーンホテル三ヶ根,西尾
第58回 東海若手セラミスト懇話会 2019 年夏期セミナー(若セラ夏期セミナー)に出席しました。
「ICDD の活動 2019」として講演をしました。
日本地球惑星科学連合 2019 年大会出席
日時:2019年5月26日-5月30日
場所:幕張メッセ,千葉
日本地球惑星科学連合 2019 年大会(JpGU2019)に出席しました。
ICDD の展示ブースで,粉末回折データ解析ソフトウェア JADE 多言語対応版が公開されました。
ICDD 会議出席
日時:2019年3月11日-3月15日
場所:Newtown Square, PA, USA
ICDD 定例会議に出席するため米国に出張をしました。
T. Ida, “Further Improvements of Deconvolution Convolution Mwthod Powder XRD Data” としてポスター発表を行いました。
ソフトウェア開発援助のため米国出張
日時:2019年2月23日-3月10日
場所:Livermore, CA, USA
粉末回折データ解析ソフトウェア JADE 日本語化を援助するために,米国に出張をしました。
新しいバージョンの JADE は,マルチリンガル(英語,日本語,中国語)版として ICDD から販売されています。
JADE 多言語化作業について先進セラミックス研究センターの年次報告に掲載しています。[PDF, 2.8 MB]
X線回折法勉強会で講師担当
日時:2019年2月8日
場所:ウインクあいち,名古屋
公設試験研究機関の研究者・技術者を対象として,粉末X線回折法のデータ解析について講義を行いました。
井田隆「逆畳み込み・畳み込み法による粉末回折データ処理」
X線分析研究懇談会で講演
日時:2019年1月22日
場所:あいち産業科学技術総合センター
X線分析研究懇談会第266回例会で講演をしました。
井田隆「通常光源とシンクロトロン光源を用いた粉末X線回折」
[プレゼン資料, 3.9 MB]
AsCA 2018 で発表
日時:2018年12月2日-5日
場所:Auckland(New Zealand)
アジア結晶学連合会議 (AsCA 2018)で研究発表をしました。
Takashi Ida, “Automation of deconvolution-convolution treatment on powder X-ray diffraction data”
日本結晶学会で研究発表
日時:2018年11月10日(土),11日(日)
場所:東京工業大学(大岡山キャンパス)
平成 30 年度日本結晶学会年会で口頭発表をしました。
井田隆・野村勝裕「粉末X線回折データに対する逆畳み込み・畳み込み処理の自動化」
[プレゼン資料, 4 MB]
X線分析討論会でポスター発表
日時:2018年10月26日
場所:東京理科大学(神楽坂キャンパス)
第 54 回X線分析討論会でポスター発表をしました。
井田隆「逆畳み込み・畳み込み計算による粉末回折データ処理」
[ポスター,1.3 MB]
黒田・太田シンポジウムで講演
日時:2018年8月4日
場所:立命館大学(びわこ・くさつキャンパス)
黒田・太田シンポジウムで講演を行いました(依頼講演)。
井田隆「通常光源と放射光源を使った粉末回折」
[プレゼン資料, 28 MB]
Powder Diffraction 誌に論文掲載
日時:2018年6月29日
Powder Diffraction 誌に論文が掲載されました。
T. Ida, S. Ono, D. Hattan, T. Yoshida, Y. Takatsu & K. Nomura,
“Improvement of deconvolution–convolution treatment of axial-divergence aberration in Bragg–Brentano geometry”
Powder Diffr. 33, 121—133 (Jun. 2018).
[doi: 10.1017/S0885715618000349]
Bragg-Brentano 型光学系の軸発散収差関数のキュムラント解析により高精度な近似形式を導きました。逆畳み込み・畳み込み処理により,軸発散収差に由来するピーク位置のシフトと非対称なピーク形状の変形を自動補正する方法を提案します。
Powder Diffraction 誌に論文掲載
日時:2018年6月29日
Powder Diffraction 誌に論文が掲載されました。
T. Ida, S. Ono, D. Hattan, T. Yoshida, Y. Takatsu & K. Nomura,
“Removal of small parasite peaks in powder diffraction data by a multiple deconvolution method,”
Powder Diffr. 33, 108—114 (Jun. 2018).
[doi: 10.1017/S0885715618000337]
逆畳み込み法を応用することにより封入管型X線源に由来する汚染ピークを効果的に除去しうることを示しています。
Powder Diffraction 誌に論文掲載
日時:2018年6月29日
Powder Diffraction 誌に論文が掲載されました。
T. Ida, S. Ono, D. Hattan, T. Yoshida, Y. Takatsu & K. Nomura,
“Deconvolution–convolution treatment on powder diffraction data collected with CuKα X-ray and NiKβ filter”
Powder Diffr. 33, 80–87 (Jun. 2018).
[doi: 10.1017/S0885715618000258]
Cu Kα X線源と Ni Kβ フィルタを使って測定された粉末X線回折データに対して,現実的なX線の分光強度分布モデルを用いた逆畳み込み・畳み込み処理を施せば,わずかに残る Cu Kβ ピークと Ni 吸収端による強度の飛びを除去できることを示しています。
OB セミナーで講演
日時:2018年5月9日(水)
場所:栄光学園中学高等学校(鎌倉市)
栄光学園中学高等学校の OB セミナーで講演をしました。
井田隆「X線回折」[プレゼン資料, 92 MB]
[栄光学園]
日本セラミックス協会年会で研究発表
日時:2018年3月15日(木)–17日(土)
場所:東北大学(川内北キャンパス)
日本セラミックス協会 2018 年年会で共同研究の成果が発表されました。
野村勝裕・井田隆「ペロブスカイト型酸化物 LaScO3 の放射光高温X線回折測定」
[日本セラミックス協会 2018 年年会]
ICDD Spring Meetings
日時:2018年3月12日(月)–16日(金)
場所:ICDD Headquarter, Newtown Square, PA, USA
ICDD Spring Meetings に出席しました。
[ICDD]
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