名古屋工業大学
先進セラミックス研究センター
井田 隆
名古屋工業大学 環境材料工学科 3 年次授業「マテリアルデザイン」の講義ノートです。
４−５−１ 冪乗の計算
４−５−２ 級数の計算
４−５−３ 二次方程式の解
大規模な計算をするのでなければ，計算速度や計算精度を少し改善するための技術に必要以上にこだわる必要はありません。特定の計算システムに最適化された手法が，他の計算システムでも最適とは限りません。むしろなるべく一般的で，簡潔に明瞭に記述できるような手法を用いることを心がけるべきです。
一方で，量子力学計算や分子動力学計算などの大規模計算では，計算の効率や精度を高めるために多くの工夫がこらされており，「どうしてそのような計算のしかたをするかがわからない」という意味で理解しにくくなる傾向があります。
コンピューターを使って行う計算は，多くの場合に近似的な結果を得るものでしかありません。計算ステップが多い大規模な計算では，計算回数が多くなるにしたがって，個々の計算ステップでのわずかな計算誤差が積み重なって，正解にたどりつけなくなってしまう場合もあります。逆に計算のしかたを少し工夫するだけで結果が大きく改善される場合があります。
特に計算プログラムの末端の比較的低レベルな計算は多くの回数実行されるので，少し改善するだけで効果があります。 この節では，低レベルな数値計算のテクニックとして良く知られている工夫のいくつかを紹介します。
2005年10月26日公開
2013年5月3日更新