名古屋工業大学
先進セラミックス研究センター
井田 隆
名古屋工業大学 環境材料工学科 3 年次授業「マテリアルデザイン」の講義ノートです。
4−1 数の表現
4−2 初等関数と特殊関数
4−3 数値微分
4−4 数値積分
4−5 数値計算の技術
数値計算 numerical calculation という語は,解析計算 analytical calculation と区別する文脈で用いられる場合が多いようです。
解析計算は,高校までの数学で勉強したように,連立方程式や微分,積分,級数などの形から,簡単な数式で表される「解」を導くものです。 数値計算は,コンピューターを使った力づくの計算で強引に答を導くものと思えば良いでしょう。
「数値計算によって解を導いた」というときには,「あまり深く考えていない」「強引で低レベルで姑息な方法」を使ったというネガティブなイメージが常にともないます。 それにも関わらず「数値計算」という方法が頻繁に使われるのは,実際の問題を解くためには簡単で便利で役に立つからです。
実際に簡単で役に立つのですから,数値計算を使うことに必要以上に躊躇することはありませんが,注意した方が良い事がいくつかあります。 この章ではそのようなことについて紹介します。
プログラミング以前の問題で,計算のしかたを工夫すれば,近似であるとしても非常に正確な結果を得られる場合もありますし,逆に計算のしかたが悪いために計算時間が非常に長くなったり大きな誤差がともなってしまう場合もあります。数値計算はもちろん学問の対象になりうるものなのですが,むしろ技術的な側面が強いと言えます。
2005年10月26日公開
2013年4月30日更新