名古屋工業大学
先進セラミックス研究センター
井田 隆
名古屋工業大学 環境材料工学科 3 年次授業「マテリアルデザイン」の講義ノートです。
数値微分は,微分の定義式:
f ′(x) = | f(x + h) − f(x) | ||
lim | |||
h | |||
h → 0 |
に数値をあてはめて微分を計算する方法です。
たとえば,以下のような問題を考えてみてください。
関数 f(x) = 2x について,f ′(3) の値を求めなさい。
高校までの数学で教わった通りにすると,以下のような計算をすることになるでしょう。
まず f(x) = 2x = exp(x ln 2) と書き直して,
合成関数の微分の公式から
f ′(x) = (ln 2) exp(x ln 2) = 2x ln 2
となるので,この式に x = 3 を代入すれば,
f ′(3) = 23 ln 2 = 5.545177 444479 5…
となる。
しかし,コンピュータ(関数電卓)を使えるのなら,微分の定義式をそのまま使って計算ができます。たとえば,以下のような計算をします。
h = 0.0000001 として,
|
この例では7桁目まで正しい数値が計算できています。
この例はまだ簡単な方ですが,関数がもっと複雑な場合には,数値微分を使うことにすれば式の上では微分を解かなくても良いので,ずっと楽になる場合が多いのです。
2005年10月26日公開
2013年5月2日更新