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(ディジタル) コンピュータでは数値を2進数で表します。 ふつうに市販されているコンピュータは,すべてディジタル・コンピュータですが, アナログ・コンピュータというものもあります。
アナログ回路を使って計算する一つの典型的な方法を紹介します。 例えば 「3 で割る」 という計算をしたいときには, 図 2.31 のように,抵抗の大きさが 2:1 になるような2つの抵抗を直列につなげば良いだけです。 割る数を変えたければ,抵抗の大きさを変えられるような,可変抵抗 (ボリューム) を使えば良いというわけです。
図 2.31 アナログ方式による素朴な割り算回路。入力電圧を 3 で割った電圧が出力される。
もっと一般的に,アナログ回路で計算をしやすくするための回路をパッケージにした素子として「演算増幅器」 (通称 オペ・アンプ; operational amplifier) というものがあります。 精度にもよりますが,普通のものだと1個 100 円くらいで売っています。 オペ・アンプを使って加減乗除の計算をするための回路は良く知られています。 計測回路などでは「精度は必要ないが,とにかく高速に計算したい」という場合が結構ありますので, 知っておいても損はないでしょう。
しかし,アナログ回路を使う限り,実現できる精度には限界があります。 たとえば,温度が変化すれば抵抗器の抵抗の値が変化してしまうので, 高精度な演算が必要な時は,温度係数の小さい特殊な抵抗器を使ったり, あるいは温度変化を補償するような特別な工夫が必要になります。 それに比べれば,ディジタル回路では扱える値がとびとびの値に限られますが, 誤差を実質上無視できるような回路を製作することが容易だという圧倒的な利点があります。
以下では,ディジタル・コンピュータを使った計算のしかたを紹介します。 普通の加減乗除の計算のことを「算術演算 arithmetic operation」と言います。 ディジタル・コンピュータでは数値を2進数を使って表します。 2進数の算術演算は,前に説明した「論理演算 logical operation」の組み合わせで実現できます。
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