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コンピュータはどうやってものを憶えているのでしょうか? 電源を入れていない間は磁気ディスクや光ディスクにデータが記録されていることは想像がつくでしょう。 これらの装置は「補助記憶装置」と呼ばれます。 昔は紙テープやパンチカード,磁気テープなどが補助記憶装置として使われていました。
しかし,データをディスクから読み込んだとしても,主な処理をして次に書き込むまでの間はデータは電子回路に記憶されています。 データを記憶しておくための電子回路をメモリと呼びます。 原理的には電子回路によるメモリ素子がなくても動作するコンピュータも可能ですが, 一般的には補助記憶装置を使ったデータの読み書きよりもメモリ素子を用いたデータの読み書きの方がずっと高速であり, 実際上メモリ素子はコンピュータにとって必要不可欠な部品です。
ふつうに使われるメモリ素子には2種類あります。
(1) スタティック・メモリ;Static Memory
(2) ダイナミック・メモリ;Dynamic Memory
これら2種類のメモリ素子は全然違うしくみになっています。
詳しいしくみは後述するとして,これらのメモリ素子の特徴を比較すると表 2.1 のようになります。
表 2.1 スタティック・メモリとダイナミック・メモリの比較
素子の |
読み書きの |
構造の |
高集積 |
単価 |
スタティック |
高速 |
やや複雑 |
やや困難 |
やや高価 |
ダイナミック |
やや低速 |
単純 |
容易 |
安価 |
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