ダイナミック・メモリへの書き込み
Writing dynamic memory

名古屋工業大学
先進セラミックス研究センター
井田 隆

名古屋工業大学 環境材料工学科 3 年次授業「マテリアルデザイン」の講義ノートです。

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第1部 コンピュータの基礎
Fundamentals about Computer

第2章 記憶回路
Memory

2−2 ダイナミック・メモリ
Dynamic memory

2−2−3 ダイナミック・メモリへの書き込み
Writing dynamic memory

ダイナミック・メモリに「0」という値を書き込むには, ワード線(ゲート)電圧をかけた状態でビット線(ドレイン)電圧を下げてキャパシタから放電させます (図 2.9)。 この後にワード線(ゲート)電圧を下げれば,ビット線(ドレイン)からキャパシタへは電流が流れにくくなるので, ビット線の電圧にかかわらずキャパシタは放電したまま保たれます。 つまり,しばらくは書き込んだ値を憶えていることになります(図 2.10)。


図 2.9
ダイナミック・メモリ回路に「0」を書き込む。 ワード線 W を 5 V とすれば NMOS が on 状態になり, ビット線 B を 0 V にすれば,矢印の向きに電流が流れて キャパシタが放電する。


図 2.10
ダイナミック・メモリ回路は「0」という値を憶えている。 ワード線 W 電圧を +5 V から 0 V に戻してやれば,ビット線が 5 V になったと しても,矢印の向きには電流が流れにくいので,キャパシタの放電された状態がしばらく保たれる。

逆に「1」という値を書き込むには,ワード線(ゲート)電圧をかけた状態にし,ビット線(ドレイン)電圧を上げてキャパシタに充電します(図 2.11)。この後ワード線(ゲート)電圧を下げればキャパシタからビット線へは電流が流れにくくなり,やはりしばらく書き込んだ値を憶えていることになります(図 2.12)。


図 2.11
ダイナミック・メモリ回路に「1」を書き込む。 ワード線 W を 5 V とすれば NMOS が on 状態になり, ビット線 B を 5 V にすれば,矢印の向きに電流が流れてキャパシタが充電される。


図 2.12
ダイナミック・メモリ回路は「1」という値を憶えている。 ワード線 W を 5 V から 0 V に戻してやれば,ビット線 B が 0 V になったとしても,矢印の向きには電流が流れにくいので,キャパシタの充電された状態がしばらく保たれる。


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2011年4月17日公開
2013年4月13日更新