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2.4 アナログ・コンピュータ analogue computer

現在市販されているコンピュータは,(自分の知る限り)すべてディジタル・コンピュータと呼ばれるものですが, かつて特殊な用途で実際にアナログ・コンピュータと呼ばれるものが作られて使われたこともあるそうです。

ディジタル・コンピュータは数値を2進数で表現して,"1" という数字をたとえば +5 V, "0" という数字を 0 V という電圧に対応させて,原則的にこの2種類の電圧しか使いません。 "2" という数値を表したければ,電線を2本使って,"10" という電圧のパターンにします。 十進数の "10" という数値を表したければ,最低でも4本の電線を使って, "1010" という電圧のパターンにするわけです。

それに対して,アナログ・コンピュータでは,1つの数値を表すのに1本の電線を使って, x という数値を x V という電圧で表現します。 つまり, "1" という数値を 1 V, "2" という数値を 2 V という電圧で表現することになります。

二つの電圧を加えた電圧を出力する電子回路や,二つの電圧の差を出力する電子回路, 対数や指数,時間について電圧を積分した値や微分した値を出力する回路の作り方は良く知られています。 特定の計算を高速に実行できるアナログ・コンピュータを作ることも,あながち非現実的なことではないだろうと思います。 ただ,この話を詳しくすると少し専門的になりすぎるので,この講義ではディジタル・コンピュータの話だけをしたいと思います。 また,今後特に断らない限りは,ディジタル・コンピュータという意味でコンピュータという言葉を使うことにします。


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2004-04-17