名工大 / セラ研 / 解析システム研究グループ /トピックス /
J. Appl. Cryst. 42(4), 597-606 (August, 2009).
実験室型粉末回折計の回転試料台(スピナ)の回転角をステップスキャンし、記録された強度データの統計的な性質を解析する方法により、観測される粉末回折強度の統計学的な不確かさのうち、粒子統計に依存する部分を定量的に解析する新しい方法を開発した。標準Si 粉末(NIST SRM640c)と、水篩により分級された α-quartz の粉末(3-7, 8-12, 18-22 μm) に同法を適用した。粒子統計から見積もられた結晶粒径は、SEM 観察から求められた粒子径と良く対応する値となった。
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Journal of Molecular Catalysis A: Chemical 310, 166-173 (August, 2009)
In2O3 上でおきる各種アルコールの気相触媒反応を調べた。1, 4 - ブタンジオールや 1, 5 - ペンタジオールなど各種ジオールの脱水素による不飽和アルコールの生成において、In2O3 は 70 モル%以上の選択性をもつ安定な触媒活性を示すことがわかった。 In2O3 は立方ビクスビ石型の構造をもつが、還元特性においては立方ホタル石型 CeO2 と類似していた。In2O3 の構造中における還元サイトについて考察し、これらの還元サイトがジオールの脱水素と不飽和アルコール生成の活性中心であると結論した。
J. Phys. Chem. A 113, 11354-11366 (October, 2009)
分子間電荷移動分子である 1, 3 - ジアミノ - 4, 6 - ジニトロベンゼンのビスヒドロキシアルカリ類似化合物である 1, 3 - ビスヒドロキシアルカリアミノ - 4, 6 - ジニトロベンゼンのいくつかの結晶を加熱すると、まず低温で黄色から橙色への比較的緩やかな色変化を示し、つぎに橙色から赤色への急激な色変化を示す。 高温単結晶X線回折法をもちい、これらの二種類のサーモクロミズムはそれぞれ異なるプロセスに由来するものであることを明らかにした。 まず、低温で起きる緩やかなサーモクロミズムは、積層したベンゼン環の π-π 相互作用の弱体化にともなう分子間距離の増加によって生じると推定された。 一方、より高温でおきる鋭いサーモクロミズムは、アミノ基とニトロ基間の水素イオン移動に伴う固相―固相間の相転移に基づくものと推定された。
Journal of the European Ceramic Society, 30, 233–236 (January, 2010)
層状ペロブスカイト BaLn2Mn2O7 は二重の八面体層からなる Sr3Ti2O7 型構造をもつ。高温電子顕微鏡観察結果によると BaEu2Mn2O7 は昇温過程でいくつかの相転移を示し、正方晶系 P42/mnm (phase I) から単斜晶系相 (phase III) を経て、I4/mmm の正方晶系相 (phase II) へと変化することがわかった。Phase III の反射は 277℃ 以上ではじめて現われ、昇温とともに徐々に強くなり、750℃ 以上では phase III のみとなる。これは低温相と高温相の共存する温度領域をもつことを意味し、1 次の相転移と推定された。
Acta Crystallographica Section E 66, il4 (January, 2010).
単斜晶系に属する新しいストロンチウムサイアロンである Sr3(Al3+xSi13-x)(N21-xO2+x):Eu2+ (x~0) を見出した。この結晶の単位胞は幾何学的には斜方であるが構造的にはラウエ群 2/m の単斜である。化学組成は x=0 において SrSiN2, Si3N4, AlN, SiO2 の比率が3:3:3:1 となり、既に報告されている組成比 5:5:5:1 ストロンチウムサイアロンと区別される。また、Sr2+ を Eu2+ で置換した 3:3:3:1 ユーロピウムサイアロンと同型である。結晶は 4 種類の双晶分域からなる。これらは “twin by merohedry” および “twin by metric merohedry” とよばれる2 種類の双晶形式からなる “double merohedry” 型の双晶である。
セラミックス基盤工学研究センター年報 2009, 9, 1-7 (March, 2010)
シンクロトロン軌道放射光をX線源として用いた場合の粉末回折測定における粒子統計に関する理論的な側面について述べた。非対称反射法にもキャピラリ試料を用いた透過法にも利用できる一般性の高い理論を構築した。観測される回折強度の統計分布における歪度は粉末試料中の結晶子サイズ分布の分散に関係づけられる。理論を検証し結晶子サイズ分布を評価するための現実的な方法を提案した。
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Photon Factory Activity Report 2008 #26 Part B (2009) p. 162.
Photon Factory Activity Report 2008 #26 Part B (2009) p. 244.
日本結晶学会誌 51[1], 131-132 (2009)
J. Flux Growth, 3(1), 2-6 (2009).
J. Flux Growth, 3(2), 41-47 (2009).
第 26 回希土類討論会,2009 年5 月,札幌
日本結晶学会講習会「粉末X線解析の実際」,2009 年 7 月,東京
東海若手セラミスト懇話会2009 年夏期セミナー,2009 年 7 月,鳥羽
The Sixth China International Conference on High-Performance Ceramics (CICC-6), August 2009, Harbin, China
日本分析化学会第58 年会,2009 年9 月,札幌
日本セラミックス協会秋季シンポジウム,2009 年 9 月,松山
日本セラミックス協会秋季シンポジウム,2009 年 9 月,松山
Joint Conference of the Asian Crystallographic Association and Chinese Crystallographic Society (AsCA ’09), October 2009, Beijing, China
平成 21 年度日本セラミックス協会東海支部学術研究発表会,2009 年 11 月,名古屋
平成 21 年度日本セラミックス協会東海支部学術研究発表会,2009 年 11 月,名古屋
豊橋技術科学大学研究基盤センター特別講演会,2009 年 11 月,豊橋
平成 21 年度日本結晶学会年会,2009 年 12 月,西宮
平成 21 年度日本結晶学会年会,2009 年 12 月,西宮
平成 21 年度日本結晶学会年会,2009 年 12 月,西宮
第 4 回日本フラックス成長研究発表会,2009 年 12 月,常滑
Electronic Materials and Applications 2010 (EMA2010), 2010 年 1 月, Orlando, USA
ICDD Spring Meeting 2010, 2010 年3 月, New Town Square, USA
平成 21 年度日本セラミックス協会年会,2010 年 3 月,小金井
The ICDD Spring Meeting 2010, March 2010, Newtown Square, USA
瀬戸窯業技術センター特別講演会、2010 年 3 月、瀬戸
受賞対象:“Diffusion of Li atoms in LiMn2O4 - A structural point of view”, Journal of the Ceramic Society of Japan 117[1], 6-14 (2009).
受賞理由:This article reviews the nature of disorder in the LiMn2O4 structure based on the recently published works using synchrotron X-ray diffraction and molecular dynamics simulation. It is concluded that the Li diffusion mechanism is highly correlated with a dynamical change in oxidation states of Mn atoms. This article is strongly recommended to award of the outstanding reviews published in the JCerSJ in 2009.
20011年03月25日