平成 16 年度 名古屋工業大学公開講座
セラミックス研究のフロンティア
− 機能を活かす製法と評価法 −
2004年9月30日 〜 12月16日

[名古屋工業大学セラ研][受講申込案内]

受講者の方へお知らせ:11月4日の公開講座(長岡科学技術大学・植松先生ご担当)は予定通り開講します。


【概 要】 多くの優れたセラミックスが私たちの実生活で使用されていますが、これらのセラミックスはこれまで蓄積されてきた経験と試行錯誤により膨大な労力と時間を費やして開発されてきたものです。また多くの場合、セラミックスの材料特性がどのようなメカニズムで発現するのかという根元的な問題が取り残されたままになっており、現在のようなハイテク時代においても新しいセラミックスの開発は経験と勘に基づいて進められているといえます。セラミックスの物性はその微細構造に由来します。したがって、活用するマクロ的な物性の発現メカニズムを理解するためには、微細構造を詳細に解析し、どのようなメカニズムでその微細構造形成されるのかを知る必要があります。また、微細構造に起因するミクロ物性を理解する必要があります。このような、ミクロ的構造・物性とマクロ的物性との間の定量的評価の対応を理解し活用することが、今後の材料設計、材料開発のキーテクノロジーとなるでしょう。特に、近年開発の進められているナノテクノロジー、ライフサイエンス、環境、エネルギー、ネットワークなどに関する先端的なセラミックス材料では、微細構造がナノスケールにまで微細化されつつあります。この場合、わずか数パーセントのナノ構造変化で、特性が大きく変化する事が知られています。このような超微細な領域での組成分析や原子レベルでの構造解析およびこれらの制御が、新規セラミックス研究のフロンティアとなっています。そこで本年度は、セラミックス材料開発に必要な微細構造と機能発現メカニズムに関する評価方法、これらの微細構造を制御し活かす方法をテーマとし「セラミックス研究のフロンティア −機能を活かす製法と評価法−」と題した公開講座を開催します。本年度は当研究センターの教員の他に、経済産業省、長岡科学技術大学、岐阜大学からも講師を招き、多角的視野から講義いたします。講義に関連の深い装置、設備、研究室の見学も計画し、講義の理解を深めていただくとともに、本センターや参加者間の共同研究のベース作りにも活用して頂きたいと思います。企業や試験研究機関の研究者、キャリアアップを目指されている方など、多くの方々の参加を歓迎いたします。

【日 時】  平成 16 年 9 月 30 日(木)〜 12 月 16 日(木)の各木曜日 18:00 〜 20:00、計 10 回開講

【実施場所】 セラミックス基盤工学研究センター講義室

【募集人数】 50 名

【講習料】  8,200 円

【日程、講義名、講師】
第1回9月30日「多孔体の作製とその応用/センターのフロンティア」藤 正督(名古屋工業大学セラミックス基盤工学研究センター助教授)
第2回10月7日「環境ビジネス/材料開発をとりまくプロジェクト」國友宏俊(経済産業省産業技術環境局環境調和産業推進室長)
高橋 実(名古屋工業大学副学長)
第3回10月14日「固体中のイオンの動き」石澤伸夫(名古屋工業大学セラミックス基盤工学研究センター教授)
第4回10月21日「粉末X線回折法による微構造の評価」井田 隆(名古屋工業大学セラミックス基盤工学研究センター助教授)
第5回10月28日「自動車用環境機能材料に関する研究例」小澤正邦(名古屋工業大学セラミックス基盤工学研究センター教授)
第6回11月4日「新規評価法によるマクロ構造と特性の関係解明」植松敬三(長岡科学技術大学化学系材料開発工学科教授)
第7回11月11日「天然組織利用セラミックス化プロセス」太田敏孝(名古屋工業大学セラミックス基盤工学研究センター教授)
第8回11月18日「燃料電池開発の現況及びSOFCの技術動向について」蔵島吉彦(名古屋工業大学セラミックス基盤工学研究センター客員教授、日本ガイシ環境センター長)
第9回11月25日「磁石にみる磁性材料の製法」安達信泰(名古屋工業大学セラミックス基盤工学研究センター助教授)
第10回12月2日「セラミックスプロセッシングにおける微細構造観察」橋場 稔(岐阜大学工学部機能材料工学科教授)

(担当:藤 正督)

- 2004年11月4日改訂 -