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1. はじめに

20 世紀の後半から,コンピュータは急速に世の中に普及してきました。 現在,日本でふつうの社会生活を送っている限り, 必ずなんらかの形でコンピュータを利用せざるをえない状況になっています。 パソコンやプリンタなどの関連機器,携帯電話,カーナビなどは比較的高性能のコンピュータですが, 自動車そのものや電化製品の多くがマイコン(=マイクロコンピュータ)を搭載しています。 エアコン,ファンヒーター,テレビ,ビデオデッキ,ビデオカメラ,オーディオ機器,洗濯機,炊飯器, 扇風機,ミシン,デジタルピアノ,電話/FAXなどにはマイコンが搭載されることが多いようです。 いわゆる8ビットのマイコンは安いものなら 100 円くらいで売っています。

多くの人は,たくさんのコンピュータに囲まれた生活を送っているはずですが, コンピュータのしくみをちゃんと理解している人はあまり多くないのではないでしょうか? もちろん,コンピュータのしくみを知らなくても使うことはできますし, 市販のコンピュータは複雑なシステムですから, そのすべてを完璧に理解しようとするのはむしろ馬鹿げたことだろうと思います。 しかし,本質的にどのような原理で動作しているのかは, 理系の大学生としては知っておくべきではないでしょうか? いずれにしてもコンピュータを使わなければならないわけですから, 仕組みを知っているつもりになっていれば, 嫌々ながら使うにしても若干は気分的に楽になるような気がします。

私はコンピュータの専門家ではないので, 私自身がどれほどコンピュータのことを理解しているかも怪しいものかもしれませんが, 今までに実験に使う装置を制御するための電子回路を設計・製作したり, 実験データを解析するためのコンピュータ・ソフトウェアを開発してきた経験を通じて学んできたことをふまえて, コンピュータについてなるべく本質的なことがらだけを解説したいと思います。 できるだけ専門的な用語を避けて,専門的な用語を使う時にはきちんと説明し, 初心者にとってもわかりやすい内容になるように心がけるつもりです。


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2004-04-17