キャタリシス スクエアの報告

平成26年度のキャタリシス スクエア(触媒学会西日本支部主催)は、2014年8月2日(土曜日)に名古屋産業振興公社や産業技術総合研究所中部センターなどが中心になって主催されている「なごや・サイエンス・ひろば2014」におけるイベントの一つとして開催した(図1の案内を参照)。「なごや・サイエンス・ひろば2014」は毎年8月の第一土曜日に開催されているイベントで、研究室紹介や科学工作教室、サイエンスショーなど、子供から大人まで科学技術に対する理解と関心を深めてもらうための企画である。近隣の方々のみならず、名古屋市以外の愛知県内や岐阜県からの参加者もあり、毎年2,500名程度の参加者数がある比較的大きな科学イベントである。当日は晴天ではなかったものの、雨も降らず、また気温も比較的低かったため、参加者数は例年よりも若干多めの2,727名であった(事務局発表)

キャタリシス スクエアは研究開発センター共同研究棟の2階の一室をお借りし、岐阜大学近江先生にも助けていただいて開催した。会場では、24枚の触媒紹介パネルと研究室で所有しているハニカム触媒やDPF、ペレット触媒などの展示(図2)、およびCatalysis Parkのビデオ上映を行った。また、子供たちを対象にゼオライト模型の作製も行った。「なごや・サイエンス・ひろば2014」では60ものイベントが開催されているため、キャタリシス スクエアへの来場者は保護者を含めて200名程度と予想していた。10時開場後の1時間程度は、来場者数も想定範囲内で、ゼオライト模型の製作や興味を持って頂いた小学生や保護者へのパネルや触媒の展示物への説明を行うことができた(図3)。しかし12時前頃になると、全体の参加者数の増加に合わせて、キャタリシス スクエアへの来場者も急激に増えた。来場した子供たちのお目当てはゼオライト模型の作製にあったようで、当初準備していた机やいすでは対応困難になり、急遽、ビデオ上映を中止し、ゼオライト模型を作製するための場所にするなどの対応を行った。その結果、約200名分のゼオライト模型を準備していたが、イベント終了1時間前の15時には完全になくなってしまい、以降はパネルと触媒の展示のみに切り替えて、開催を継続した。

当初は、キャタリシス スクエアへの来場者が少ない場合のことや子供たちが触媒やゼオライト模型に興味を持ってくれるかなどを心配していたが、多くの方に来て頂いて心配は杞憂に終わってほっとしている。子供たちにとってゼオライト模型を作ることは難しいようすであったが、名古屋工業大学と岐阜大学からの学生のアドバイスもあり、全員見事にゼオライト模型を完成させることができた。保護者の中には、子供以上に夢中になってしまう方もいて、多くの方に触媒やゼオライトのことを少しは知って頂けたかなと思う。このような機会を通じて多くの方、特に未来ある子供たちに科学に対して興味を持ってもらいたいと切に願っている。



    

図1 「なごや・サイエンス・ひろば2014」の案内                              図2 キャタリシス スクエア会場の様子(1)


  

3 キャタリシス スクエア会場の様子(2)


今回は、残念ながら来場者数をカウントする余裕がなかったが、ゼオライト模型がなくなったこと、保護者の方の付き添いが多かったことから、300名以上の来場者数があったものと思われる。このような状況で、大きな混乱や事故もなく、無事終了することができて安堵している。関係者のみなさまに厚く御礼申し上げます。


(触媒、56 (6), pp. 384-385 (2014.12))



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