光学系の調整(5)
平板回転試料台の調整
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平板回転試料台の設置
平板回転試料台をΘ軸に取り付けます。
3カ所のネジによりΘ軸に固定しますが,
取り付け穴のアソビの分だけ取り付け角度に自由度が残っています。
仮締め(ネジをきつく締める前)の状態で,
アソビの分は低角側(リング側から見て反時計回り)に目一杯まわしてから本締め(固定)してください。
平板回転試料台の半割調整
(1) 回折計を適切な位置に設定します。
- 「Positioning」コントロールパネルを開きます。
- [Check All]ボタンをクリックし,すべてのパラメータにチェックをつけます。
- 「Two Theta Correction」ポップアップから,Θ軸の調整に使用する検出器の番号を選択します。
- 「Theta Correction」ポップアップから OFF を選択します。
- [Read Position]ボタンをクリックし,表示された内容を確認します。
必要があれば適切な位置への Positioning 操作を行います。
- 「Two Theta」をチェックし「Angle (deg.)」に 0 を入力します
(ここでは既に正しい2Θ補正角 Correction Angle が入力済みであることを仮定しています)。
- 「Theta」をチェックし,最近報告されているΘ軸補正値を入力します。
- [Positioning]ボタンをクリックし,2Θ軸とΘ軸を所定の角度に移動します。
- ロータリエンコーダ(Heidenhain, RON-806)の表示値が既に求めた補正角の値に十分近くなっていることを確認します。
(2) ここで適切な入射スリット(幅 2.5 mm, 高さ 0.05 mm)と吸収板が挿入されていることをもう一度確認して下さい。
(参照:入射スリットとアッテネータの設置)
(3) 2Θ軸を再調整します。本来は (1) の操作で正しい角度になっているはずですが,メカニズムの再現性の問題で少しずれた角度になっている可能性があります。
- 「Comment Editor」パネルから必要な情報を入力しておきます。
- 「Scan Control」コントロールパネルを開きます。
- 「Scan Axis」ポップアップメニューから “Two-theta” を選択します。
- [fine] ボタンをクリックし,走査範囲とステップを指定します。
- 「Data Save & Plot」セクションから保存/表示するデータを選択します。
- [Safe Scan]ボタンをクリックして2Θ走査測定を開始します。
- 走査測定が終わったらピーク位置を確認します。
(参照:グラフからピーク位置を求めるには)
(4) 計数測定を開始し,ビームが遮られない状態での強度を求めます。
- 「Comment Editor」パネルから必要な情報を入力しておきます。
- 「Scan Control」コントロールパネルを開きます。
- “Positioning before Scan” にチェックをし,Positioning パネルを開きます。
- Positioning パネルの “Two Theta” にピーク位置を指定します。
- [Save as Pre-Scan Move] ボタンをクリックし,ダミー走査開始前に2Θ軸を所定角度に回転させる指定をします。
- 「Scan Axis」ポップアップメニューから Dummy を選択します。
- 測定の最大繰り返し回数(形式的にはスキャン範囲と測定ステップ)を指定します。
[coarse]ボタンまたは[fine]ボタンをクリックすれば,
適切なスキャン範囲と測定ステップが自動的に入力されます。
- 「Data Save & Plot」セクションから保存/表示するデータを選択します。
- [Safe Scan]ボタンをクリックして計数測定と,経過のグラフ表示を開始します。
このときのカウント数が,「ビームが遮られない状態での強度」です。
(5) 平板回転試料台に「平板回転試料台用半割治具」を設置します。
(6) 試料台が回転することを確認します。
- 平板回転試料台コントローラ(VEXTA SG8030S をフロントパネルに設置した自作制御器)の “CCW ⇔ OFF” 切り替えスイッチが OFF 位置になっていることを確認して電源を投入します。
- 平板回転試料台コントローラの回転速度切り替え用のトグルスイッチを “0.5 s/rev.” 側に倒します。
- 「Positioning」パネルを開きます。
- “Flat ⇔ Capillary” 切り替えラジオボタンの Flat を選択します。
- “Continuous Spin” をチェックし,ポップアップメニューから ON を選択, [Positioning] ボタンをクリックします。
- “Initialize USB-DIO Spinners ?” のメッセージに対しては [Yes] ボタンをクリックします。
- この操作で試料台の回転がはじまらない場合には,前面に表示されている “Flat-Spec. Spinner” パネルを一度閉じて開きなおす操作を行います。
- “Flat-Spec. Spinner” パネルの [Stop] ボタンをクリックするか,“Positioning” パネルの “Continuous Spin” OFF 操作で一度回転を停止させます。
(7) 回転試料台垂直位置調整用のコントローラの準備をします。
- 計数回路の上部,エンコーダコントローラの左隣に置いてある回転試料台垂直位置調整コントローラ用電源を ON にします。
- 回転試料台垂直位置調整コントローラの OPERATION スイッチを ON にします。
(8) 計数測定を開始し,半割位置に移動します。
- 「Scan Control」コントロールパネルを開き,所定のスキャン番号を指定します。
- “Positioning before Scan” にチェックをし,Positioning パネルを開きます。
- Positioning パネルの “Continuous Spin” をチェック,ON を選択し,[Save as Pre-Scan Move] ボタンをクリック,ダミー走査開始前に連続回転を開始する指定をします。
- 「Scan Axis」ポップアップメニューから Dummy を選択します。
- 測定の最大繰り返し回数(形式的にはスキャン範囲と測定ステップ)を指定します。
[coarse]ボタンまたは[fine]ボタンをクリックすれば,
適切なスキャン範囲と測定ステップ(200回の繰り返し)が自動的に入力されます。
- 「Data Save & Plot」セクションから保存/表示するデータを選択します。
- [Safe Scan]ボタンをクリックして計数測定と,経過のグラフ表示を開始します。
-
もしはじめに強度がカウントされなかったら,
回転試料台コントローラの「プラス/マイナス」トグルスイッチをマイナス側に倒して,
強度が観測されるまで試料台を下側に移動します。
- 回転試料台コントローラの「プラス/マイナス」トグルスイッチと,
Speed つまみを操作して,
観測されるカウント数が (4) で観測された強度の1/2になるように試料台を移動します。
- 「Scan Control」コントロールパネルの[Stop]ボタンをクリックして Dummy 測定を中断します。
(9) Θ 軸のスキャンを実行し,ピーク位置に移動します。
- Scan No. を指定し,「Scan Axis」ポップアップメニューから Theta を選択します。
- 「Start」「Stop」「Step」にスキャン範囲と測定ステップを入力します。
調整の初めの段階では[coarse]ボタンをクリックして粗いスキャンに適当な範囲とステップ(0.05°)を入力し,
調整が進んできたら[fine]ボタンをクリックして精密なスキャンに適当な範囲とステップ(0.005°)を入力します。
- [Safe Scan]ボタンをクリックして Θ 軸のスキャン測定を開始します。
- Θ 軸スキャンの強度図形を確認します。
半割治具の上端がビームの中心に一致する場合には,
三角形に近い強度図形になるはずですが,
試料台が下がりすぎているときには台形に近い形状になります。
- 「Positioning」コントロールパネルの操作により,Θ 軸をおよそのピーク位置に移動します。
- ピーク強度が (3) で求めた強度の 1/2 に充分近ければ半割調整は終了です。
そうでなければ半割調整 (8) の操作からやりなおします。
(10) 調整が終了したら回転試料台コントローラの OPERATION スイッチを OFF にします。
(11) [MDS]→[Control Panels] メニューから [Correction Angle control panel] を選択して 「Correct Angle」 パネルを表示し,
Theta 補正値を入力します。
(12) 「Flat-Spec. Spinner」パネルの [Stop Rotation] ボタンをクリックして回転を停止し,平板回転試料台用半割治具を取り外します。
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2013年5月23日更新