平成15年度 名古屋工業大学公開講座
新しい機能性セラミックスの開発と評価
2003年10月1日 〜 12月3日

名古屋工業大学名工大セラ研


講座の概要・日程

1.概要

 21 世紀の工業化社会において,持続的な発展天然資源の有効利用環境との調和環境への負荷の低減 といった全地球規模の問題が既に現実的な課題となっています。 営利を目的とした私企業であってもこれらの課題を無視することはもはや不可能であり, むしろ企業の存立を左右しかねない最重要の課題として認識されるようになってきています。

 セラミックスは,人類が有史以前から現在に至るまで, 絶えることなく利用してきた伝統的な材料技術であり, 本質的に「環境に優しい技術」であることは, 人類の歴史が証明しているといっても良いでしょう。 セラミックスを基盤とした材料技術は, 21 世紀の工業化社会において, 持続的な発展を支えるための環境調和型技術として特に注目されています。

 一方で,近年の情報技術の爆発的な進歩にともなって, 物質設計製造プロセス設計材料評価技術 の分野でめざましい発展も進んでいます。 現在は新しい技術を応用したセラミック製品の高付加価値化生産性の向上が現実的なものとなりつつあります。

 名古屋工業大学セラミックス基盤工学研究センターは,産業界の技術者と研究者を対象として セラミックス技術に関する基礎から最新のトピックスまでを紹介する公開講座を継続的に開催しています。 本年度は 「新しい機能性セラミックスの開発と評価」と題して下記の日程で公開講座を実施します。 当研究センターの教官のほかに,名古屋工業大学大学院工学研究科,産業技術総合研究所,INAX 基礎研究所からも 講師を招いています。 希望者に対しては,研究センター各研究室の見学会なども計画しています。 企業や試験研究機関の新人の方をはじめ,多くの方々の参加を歓迎いたします。

2.日程

月 日講 義 テ ー マ講 師
10月1日(水)セラミックスの力学物性鈴木 傑
(セラミックス基盤工学研究センター教授)
10月8日(水)複合化によるインテリジェント材料創製太田 敏孝
(セラミックス基盤工学研究センター教授)
10月15日(水)セリウム酸化物の自動車触媒への応用小澤 正邦
(セラミックス基盤工学研究センター助教授)
10月22日(水)NaS 電池用β-アルミナについて蔵島 吉彦
(セラミックス基盤工学研究センター客員教授)
10月29日(水)環境と快適を考えたセラミックスの開発と評価井須 紀文
(INAX 基礎研究所所長)
11月5日(水)ナノ粒子の測定評価藤 正督
(セラミックス基盤工学研究センター助教授)
11月12日(水)ナノマテリアル研究開発の現状と動向高橋 実
(セラミックス基盤工学研究センター教授)
11月19日(水)粉末X線回折法で構造を調べる井田 隆
(セラミックス基盤工学研究センター助教授)
11月26日(水)セラミックスの微細組織を解読する福田 功一郎
(名古屋工業大学大学院助教授)
12月3日(水)セラミックス材料の分析法
−熱分析を中心として−
津越 敬寿
(産業技術総合研究所主任研究員)

担当:井田 隆